◆ 感染症情報 2010年 ◆
7月 8月 9月 10月 11月 12月
1月 2月 3月 4月 5月 6月
12月 記録的な猛暑の夏が終わるや、あっという間に秋が過ぎて冷たい風が吹きすさぶ季節になりました。季節外れの水ぼうそうが流行しています。RSウィルスによる気管支(肺)炎やノロウィルスによる感染性胃腸炎も増加しています。RSウィルス感染は大人では軽い風邪程度ですが、乳幼児では重症化しやすく感染力も強いので要注意です。ノロウィルスは年齢を問わず発熱や嘔吐、下痢、腹痛が強くて重症化しやすく、吐物や下利便から感染する力が強いので、手洗いやうがいを励行しましょう。間も無くインフルエンザの季節になりますので、ワクチンを早めに受けるようにしましょう。
11月 急に39~40度の高熱が出るような咽頭炎が乳幼児を中心に増加傾向にあります。重症感が強く気管支炎を併発して入院される方もいます。 夜間の咳が強く呼吸困難を伴う細気管支炎も目立ちます。気温が低かったり低気圧の影響などで喘息も悪化しますから、早めに治療を受けるようにしましょう。まもなくインフルエンザの季節がやって来ます。今年のインフルエンザワクチンには、従来のA型、B型に新型(H1N1)も含まれております。重症にならない効果が期待できますので、是非受けるようにしましょう。
10月 9月下旬から発熱の患者さんが増えてきました。多くはアデノウィルスを中心とするエンテロウィルスによる咽頭炎ですが、胃腸炎や脱水症を合併する乳幼児も散見されます。虫刺されや接触性皮膚炎に混じって水痘(みずぼうそう)が一部の園で流行しているようです。秋になるとイネ科を中心とした花粉症や喘息も増えてきます。風邪をひかないよう注意したいものです。10月からインフルエンザワクチン接種が始まります。地球規模の異常気象で冬場の予報が難しいようですが、インフルエンザは間違いなく流行するでしょう。是非早めに接種するようにしましょう。
9月 記録的な暑さがまだ続いていますが、夜になると虫の音を聞く季節になりました。感染症は一般的に少ない時期になりますが、気温の変動が大きいと体調をくずしやすく、アレルギー症状や喘息発作が出やすくなります。ぶたくさやイネのアレルギーなどで目や鼻の症状が出たりしやすいので症状の強い方はご相談下さい。感染性胃腸炎や突発的な発熱がやや目立ちます。季節が良くなって外出する機会も増えてきます。弁当や外食をしたりする場合は、加熱が不十分な食材には注意が必要です。日差しは結構強いので日光皮膚炎にも注意しましょう。
8月 世界的な猛暑が続き、熱中症による事故が毎日のように報道されています。空気中の温度(気温)よりも地表面の温度の方が高いため、背の低い幼児やベビーカーの赤ちゃんの方が体温が高くなりやすい傾向があります。直射日光が身体に当たらない工夫や脱水症対策が必要です。感染症は多くはありませんが、高熱に伴って熱性けいれんを引き起こす方が目立ちます。病原性大腸菌による感染性胃腸炎が増加傾向にあります。日光皮膚炎やトビヒ等も増加傾向で、早めに治療を受けるようにしましょう。
7月 感染症は全般的に、それほど多くはありません。手足口病も一時期よりは減少傾向にありますが、小中学生や成人に見られる例もありました。原因不明の高熱に引き続いて意識障害とけいれんが現れて、急性脳症で入院された幼児がいます。感染性胃腸炎では病原性大腸炎が多く、生肉を食べて高熱と血便を来して入院された患者さんが複数でおられます。食材には注意しましょう。おたふく風邪や水ぼうそうも散見されます。長引く咳の患者さんで百日咳が原因の方もおられます。治り難い方は検査を受けるようにしましょう。
6月 ヘルパンギーナや咽頭結膜炎などの「夏風邪」が増加傾向にあります。手足口病も多く、今年は高熱を伴った小児が目立ちます。今年の手足口病からは、髄膜(脳)炎を合併しやすいエンテロ71ウィルスが多数検出されていますので厳重な注意が必要です。水痘(水ぼうそう)が小流行し、トビヒやあせも、日光皮膚炎などの皮膚疾患が増えてきました。咳が長引いて気管支炎になる方も多く、早めに的確な治療が求められます。感染性胃腸炎も多く、血便を伴った細菌性腸炎が目立ちます。生ものには注意しましょう。
5月 ゴールデンウィークが終わるや最高気温が25度から30度といった日が続き、今年の夏の暑さが思いやられます。ヘルパンギーナや手足口病、水痘などが目立ちます。本来は冬に多いRS感染症が今なお散見されます。感染性胃腸炎(嘔吐下痢)の原因として4月中旬以降、ロタAウィルスが目立つようになっています。喘息の患者さんも目立ち、地球規模の大気汚染の影響があるのかもしれません。溶連菌感染や一部でインフルエンザの発生の報告もあります。日光皮膚炎やトビヒなども増加傾向にあります。
4月 急に熱が出て気管支肺炎を合併する乳幼児が目立ちます。熱性けいれんを合併する方も見られます。病因は検査中ですが、まだ不明です。RSウィルスによる(細)気管支炎は依然として小流行中です。花粉によるものか黄砂が関係しているのか喘息も散見されます。手足口病やアデノウィルスによる咽頭炎が増加傾向にあります。水痘(みずぼうそう)も一部で流行中です。感染性胃腸炎(嘔吐下痢症)の患者さんからノロウィルス、ロタウィルス、アデノウィルスなどが検出されています。日差しが強くなって日光皮膚炎やトビヒが目立つようになってきました。
3月 感染性胃腸炎(嘔吐下痢症)の流行が続いています。多くはノロウィルスが原因ですが、時折病原性大腸菌も検出されていますので注意が必要です。新型インフルエンザはかなり下火になっていましたが、一部の地域では再度増加気味で学級閉鎖になった所もあります。RSウィルスによる細気管支炎やクループ性気管支炎、肺炎が目立ちます。呼吸困難が続きますので早めに小児科を受診するようにしましょう。花粉症がめだってきましたので、症状の強い方は早めに治療を受けると楽になります。松山市での小学生、中2と高校2年の年齢の麻疹予防接種の公費負担(無料接種)は3月末までですので、未接種の方は忘れずに受けましょう。
2月 1月に引き続いてノロウィルスによる感染性胃腸炎(嘔吐下痢症)が流行しています。下痢や嘔吐の回数が多く入院が必要になるお子さんもいます。感染力が強く、家族や園内等の集団で広がりやすいので、吐物やおむつの処理に気をつけましょう。インフルエンザはしばらく減少気味でしたが、一部の地域で再び増加傾向にあります。ワクチンの順番待ちの方もいましたが、徐々に入荷されつつありますので是非受けるようにしましょう。花粉症により目や鼻や湿疹の症状が出始めている方が増えてきました。眠気の来ないアレルギーの薬も開発されていますので、症状でお困りの方はご相談下さい。
1月 昨年末に引き続いて、インフルエンザが猛威を振るっています。例年の季節型インフルエンザ脳症は3~4歳未満の乳幼児が多いですが、新型インフルエンザによる脳症のピークは7歳前後と報告されています。更に今般の新型インフルエンザの特徴として肺胞でのウィルス増殖とともに消化管で増殖する傾向が見られ、そのために重症肺炎になったり、消化器症状(吐いたり下痢したり)が出やすいようです。RSウィルスによる細気管支炎も増加傾向にあります。胸がぜーぜー言ったりして呼吸困難が続きますから早めに小児科を受診しましょう。嘔吐下痢症も増加傾向に有ります。